建築会社の選定

実は今回は業者へ依頼という事もあり、そこの会社で実績のある工務店への発注となります。ですので、相見積もりや、複数プランの比較というのはしていません。

色々と調べてみると、賃貸併用住宅ならではのノウハウがあり、どこの工務店でも作れるような物ではないという事なのです。

例えば、大手のハウスメーカーだと、全国どこでも同じ品質で家作りができるように、決まった形を組み合わせていくだけなので、土地をギリギリまで有効活用しての家作りという事ができません。

自宅を主に作っている工務店だと、賃貸仕様に慣れていないでしょうし、アパートを主に作っている工務店だと、自宅仕様に慣れていないという事もあります。自宅と賃貸だと、断熱材の厚みから、照明、設備、間取りなど、やはり全然違うのです。アパートって、2階建の真っ直ぐな細長い単純な構造がほとんどですよね・・・。自宅仕様で賃貸部分を作ってしまうと、値段がかなり高くなってしまいますし、賃貸仕様の自宅なんて嫌ですよね・・・。

それと、都内で賃貸併用住宅を木造で建てるとなると、採算が合うようにするために3階建となります。そうすると、構造計算をする必要があり、かつ、準耐火建築とする必要もあります。

その他に、自宅部分と賃貸部分での音の問題を解消するための間取りの工夫や、配管の工夫、界壁の仕様、上階にある自宅部分の音が下階の賃貸部分に響かないようにする床の施工等です。

実際、設計が終わって色々と勉強しつつ図面をみるとよく出来ているなぁと感心します。特に都内の土地の値段が高いエリアで、賃貸を建てるとなると、建蔽率、容積率をめいいっぱい使って床面積の大きい家を建てた方が良いのです。賃貸の部屋は平米辺りの周辺単価で試算します。1平米でも広い方が頂ける家賃が多いのです。

ただ、実際は北側斜線、道路斜線等で高さの制限が出たり、賃貸併用住宅だと玄関が2箇所あったり、自宅部分を優先しつつ、アパート部分の住みやすさも確保する等で単純な構造ではなく、めいいっぱい建てる事が難しいのです。業者の方曰く、見積もり段階でできると言っていた工務店も、結局作っている途中でサジを投げてしまう所が多く、残ったところがそこであったという事です。

今回は実際にプランを入れてみると、道路斜線がきつく、土地をめいいっぱい使うのは難しいように見えましたが、そこは天空率を使ってギリギリまで回避してもらいました。また、若干斜めになっている土地の部分も、壁を斜めにして限界まで攻めてもらっています。

そんな事もあり、最初は工務店を比較検討して選べないという事に少し不満でしたが、上記を考慮すると、実績のある所にお願いして良かったのだと思います。

Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です